1980 年、ドイツのコブレンツに生まれたピアニスト、マルティン・シュタットフェルトは、2002 年ライプツィヒでのバッハ国際コンクールで、東西統一後初のドイツ人ピアニストとして優勝を飾り、正統的なバッハ音楽の後継者として不動の地位を築いてきた。 コンクールの 2 年後、ソニー・クラシカルより J.S.バッハ「ゴルトベルク変奏曲」の CD をリリース。この CD では伝説となっているグールドの録音 (1955 年)と比較され各方面で大きな話題を得ると、たちまちドイツ・クラシック・チャートの第 1 位を飾り、エコー・クラシック賞を受賞した。以後これ に続く CD で 3 度もエコー・クラシック賞を受賞している。 今や欧米や日本の音楽シーンで最も重要な演奏家の一人として、演奏活動は多忙を極めており、ミュンヘン・フィル、アカデミー室内管、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、シュターツカペレ・ドレスデン、チェコ・フィル、ザルツブルク・ モーツァルテウム管、新日本フィルなどと共演するほか、東京のすみだトリフォ二―ホール、ウィーン・コンツェルトハウス、ウィー ン楽友協会、チューリッヒ・トーンハレ、アムステルダム・コンセルトヘボウなどの世界的なホールに出演、さらにザルツブルク音楽祭、ライン音楽祭、ロッケンハウス音楽祭、メニューイン音楽祭などにも定期的に参加している。 最近では青少年のための音楽活動も盛んに行い、学校訪問を通しピアニストとしての音楽観を若い世代と共有している。日本へは 2005 年、すみだトリフォ二―ホールの「ゴルトベルク変奏曲」公演で初来日。その後、このシリーズは 12回を数えるまでに続き、シュタットフェルト自身も来日を重ねている。