いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭

いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭 2019

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グリーグ ペール・ギュント組曲より「朝」

ノルウェーを代表する作曲家グリーグは、文豪イプセンの依頼により自由奔放な野生児ペール・ギュントを主人公とした詩劇のために劇音楽を作曲した。ペールの奇想天外な冒険が描かれる。有名な「朝」では、フルートのソロを伴って、さわやかな日の出の光景が描かれる。

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グリーグ ピアノ協奏曲

グリーグの代表作。伝統的なドイツ・ロマン派のスタイルにノルウェー的な民族色を盛り込んだ傑作。シューマンのピアノ協奏曲からの影響が指摘される。第1楽章冒頭、ティンパニに続いて滝が流れ落ちるかのように登場するピアノ・ソロが有名。第2楽章は憂いを帯びたアダージョ、第3楽章は情熱的な民俗舞曲風。

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シベリウス 交響曲 第2番

シベリウスは生涯に7曲の交響曲を完成させた。なかでも傑作として知られるのが、この第2番。母国フィンランドを離れてイタリアへ長期にわたる旅に赴いたシベリウスは、明るく輝く太陽と青空、きらめく地中海に触発されて、この雄大で喜びにあふれた交響曲を書き上げた。

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シベリウス 交響詩「フィンランディア」

シベリウスの名を国際的に知らしめることになった出世作。初演当時、ロシアの圧政に対抗する祖国フィンランドの目覚めと輝かしい未来を描いた愛国的作品として広く受け入れられた。重々しい金管楽器の咆哮によって開始され、勇ましいファンファーレ、大らかな賛歌を交えながら、力強いクライマックスへと向かう。

ショパン ピアノ協奏曲第1番

「第1番」と銘打たれてはいるが、実際はショパン2作目のピアノ協奏曲。この曲の方が1作目より先に出版されたことから番号が入れ替わることになった。フランス移住前のポーランド時代に作られている。1830年の初演時、ポーランドの民謡や民俗舞踊をモチーフとしたこの曲は大喝采を浴びた。

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チャイコフスキー 交響曲 第4番

ロシアの作曲家チャイコフスキーが、経済的な支援者フォン・メック夫人に献呈した交響曲。作曲者がメック夫人に書いた手紙によれば、第1楽章冒頭は「幸福を阻む運命の力」をあらわし、第4楽章では「民衆のお祭りのイメージ」が描かれる。チャイコフスキー版の「運命交響曲」。

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チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲

スイスで静養中の作曲者のもとを訪れたヴァイオリニスト、コーテクから刺激と助言を受けて、わずか一か月足らずで書きあげられた傑作。ウィーンでの初演で著名批評家から酷評されるが、やがてロマン派を代表するヴァイオリン協奏曲として不動の人気を獲得する。雄大で情熱的な楽想が繰り広げられる。

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チャイコフスキー ピアノ協奏曲 第1番

古今のピアノ協奏曲のなかでも、もっとも広く親しまれている作品のひとつ。ドラマティックな冒頭主題で開始され、独奏ピアノと管弦楽のスリリングな掛け合いが繰り広げられる。完成当初、チャイコフスキーは盟友ルビンシテインから「演奏不可能」と批判されて傷つくが、ビューローが初演し大成功を収めた。

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リムスキー=コルサコフ シェエラザード

オーケストレーションの達人として知られるリムスキー=コルサコフが、『千夜一夜物語』を題材に作曲。独奏ヴァイオリンであらわされるシェエラザード姫が、管弦楽の荒々しい強奏で表現される暴君シャフリアール王に向かって、不思議な寝物語を聞かせる。めくるめくアラビアン・ナイトの世界を華麗に描く。

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ムソルグスキー 展覧会の絵

ロシアの作曲家ムソルグスキーが、早世した親友の建築家・画家ハルトマンの遺作展で見た絵を題材に作曲。展覧会をそぞろ歩く自身の姿を前奏曲および間奏曲風の「プロムナード」として描き、その合間に「小人」「古い城」「卵の殻をつけた雛の踊り」「キエフの大門」等、各々の絵の情景が表現される。

ムソルグスキー 交響詩「禿山の一夜」

聖ヨハネ祭(夏至の夜)に魔物たちが集まって宴を開くというロシアの民話を題材とした管弦楽曲。作品を完成させるも仲間内から酷評され、作曲者の生前に演奏されることはなかった。作曲者の死後、リムスキー=コルサコフが粗削りな原曲に筆を加え、洗練された作品に仕立てたことから一躍人気を高めた。

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ボロディン 韃靼人(ポロヴェツ人)の踊り

ロシアの作曲家ボロディンが作曲した未完のオペラ「イーゴリ公」のなかの一場面で登場する。オペラ本編では愛国の士イーゴリ公の遊牧民ポロヴェツ人に対する遠征が描かれるが、もっぱらこの「韃靼人の踊り」の場面のみ取り出して演奏される。異国情緒あふれるメロディはジャンルを超えてカバーされている。

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ボロディン 中央アジアの草原にて

ロシア皇帝アレクサンドル2世の即位25周年を祝う記念行事を機に作曲された。広大な中央アジアの草原で、ロシア人と東洋人が出会う様子が描かれる。最初にロシア民謡風の主題が奏でられ、これに東洋風の主題が応える。次第に両者は近づき、重なり合い、やがてまた遠ざかる。

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文=飯尾洋一

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