前回のギドン・クレーメルに続き、大村さんのお話にも熱がこもってきました。ガル部長に次の公演の話をしたくてうずうずしていらっしゃる様子。だって...いまをときめくあの人が金沢にやってくるのですから...
大村:
前回は巨匠、ギドン・クレーメルについてお話ししたね。今度は未来の巨匠に注目してみようか。
ガル:
未来の巨匠...ということは若い...あっわかった、藤田真央さんガルね!
大村:
そう!ガルちゃん知ってるかい?藤田くんは今から2年前の2017年、彼がまだ17歳の時にクララ・ハスキル国際コンクールで優勝しているんだ。
ガル:
クララ...ハイジ...?
部下:
部長違いますっ!20世紀前半に活躍したクララ・ハスキルというピアニストにちなんだコンクールで、なんと表彰されるのはたった一人、クララ・ハスキル賞という優勝にあたる賞のみなのだそうですよ...(注:聴衆賞などはあり)
ガル:
...ヒェェェェ、みんな、たったひとつのポジションをめがけて集まってくるってことガルね...しかも2017年に17歳ってことは...まだ大学生さん...
大村:
おそるべき才能だよね。僕が藤田くんのピアノを初めて聴いたのは、東京でのこと。昨年音楽祭で素晴らしい演奏を繰り広げたあのミナーシ(指揮者リッカルド・ミナーシ)が、日本のオケ、都響(東京都交響楽団)を初めて振るというので、打ち合わせとリサーチを兼ねて会いに行ったんだ。
ガル:
え?もしかして、藤田くんじゃなくてミナーシさんに会うのが目的だったガルか?
大村:
そう(苦笑) もちろん藤田くんが凄いピアニストだとは知っていたんだよ。
でも、ホールに広がる彼の音を聴いて、僕は衝撃を受けてしまった。僕だけじゃない。そこに居合わせた、ホール主催者、都響マネージャー、オケ楽員、そしてミナーシも含め、皆が藤田くんのピアノを絶賛していたんだ。ちなみに、このコンサートは全席完売だったよ!
ガル:
えっと...もう一度確認するガル、藤田くんその時まだ18歳ガルね...
大村:
音楽の世界に限らず、素晴らしい才能の持ち主のことを良い意味で『怪物』と呼ぶけれど、藤田くんはまさにコンサートホール全てを虜にする怪物だね。これからどんな怪物に成長してくれるのか、想像するだけでゾクゾクする。
僕は、ホール全体に満ち溢れるあの感動が忘れられなくて、金沢に帰ってきてから、藤田くんを呼ぶことを山田プロデューサーに提言したんだ。
ガル:
ミナーシさんありがと都響さんありがと大村さんありがと山Pありがとガルよ...
その藤田くんが、チャイコフスキーさんのピアノ協奏曲第1番を弾くガルね!
ガルも知ってるこれ!ジャーンジャーンジャーン!ジャーンジャーンジャーン!
(弾き真似しながら)
大村:
そうそう(笑)誰もが一度は耳にしたことがある曲だね。
オーケストラの一員からすると、協奏曲って色々なタイプがある。オーケストラとピアノがともに作り上げるような曲もあれば、ピアノが主役!という曲も。チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番は、『どうだーっ!参ったかーっ!』って、ピアノに圧倒される曲だなあ。
ガル:
それだけ存在感のある演奏ができないとダメってことガルね...
大村:
そう。それをハタチの藤田くんが弾く。今しかない、藤田くんの音色をこの音楽堂で聴けるだなんて、幸せすぎると思わないかい?あのときの、いやそれ以上の感動を、できるだけたくさんの人に味わってもらいたい。このプログラムには、そんな思いが込められているんだよ。
ガル:
こ、これは聴き逃せないガルよ!5/4(土)朝イチの公演、寝坊なんてしてられないガル!!!
大村:
部下さん、ガルちゃんのモーニングコール、お願いしますね(苦笑)
部下:
...まったくもう...部長、いーかげん自分で起きてくださいっ!
いまをときめく藤田真央さんが金沢にやってきます。チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を引っさげて!
しかも、ガル部長のお勉強第2弾でご紹介した、アジアのトップをひた走る台湾フィルハーモニック。さらにさらに、指揮はドイツの若手ホープ、ミヒャエル・バルケ氏。
この3者のほとばしるエネルギーを、ここ金沢で受け止めようではありませんか!
ああ、これはもう、聴かずにいられませんね。寝坊なんてもってのほかですよ、部長!